教員の残業代がでないブラックな法律「給特法」とは

 

先日、林先生のテレビで給特法についての番組があったそうですね。

(私、テレビ見ないからTwitterで知った。)

私はこのツイート一連を見て1番びっくりしたのは、「給特法を知らないという教員がいる」ということ。

こういうことがテレビでも放送されて話題になっているということは世の中はほとんど知らないということ。

これは知っている人が伝えるしかありませんね。

教員を退職した身ですが、現場の情報も入れて、教員の定額働かせ放題法律の給特法について、お伝えしたいと思います。

 

給特法とは、残業代が出ない法律

給特法とは昭和46年(1971)に制定された法律です。

「公立の義務教育諸学校等の教育職員等の与等に関する別措置」の略称。

どんな法律かといいますと、

  • 教員の仕事内容は複雑、多様なため、他の地方公務員よりちょっと給料が高く設定されている
  • その代わり、時間外勤務手当は支給しない
  • その代わり、給与月額の4%の教職調整額として支給する
  • 校長が教員に時間外勤務を命じることができるのは、修学旅行や災害時などのみ

簡単にいうとこんな感じです。

 

残業代が出ないという「給特法」ができた経緯

一般の公務員より高い給料上げるから、残業しないようにしろよ
教員
仕事終わらないし、いい教育するには残業しないと無理だよ
だから、その分、一般公務員より給料高いだろ!
教員
そんなことを言ってるんじゃない!残業に対してちゃんと残業代払え!

実際にこんなに訴えているんですね。

 

北海道 昭和43年7月30日     鳥取県 昭和43年6月20日

群馬県 昭和42年9月25日     島根県 昭和43年2月23日

千葉県 昭和45年9月24日     高知県 昭和43年3月31日

新潟県 昭和43年3月15日     福岡県 昭和43年5月9日

長野県 昭和41年7月18日     宮崎県 昭和43年3月28日

静岡県 昭和41年1月8日       鹿児島県 昭和43年4月11日

三重県 昭和43年4月16日     京都市 昭和43年12月25日

京都府 昭和43年12月25日    北九州市 昭和43年5月14日

参考文献:資料1昭和46年給特法制定の背景及び制定までの経緯について

確かにその訴えは正当であるな。しっかり調査して検討してみよう。

一時は残業代が出る法案が国会に提出されましたが廃案となりました。

その後、両者の意見を少しずつ取るような定額制の残業代をプラスするという今の給特法ができました。

 

給特法ができて48年。このまま残業代は出ないのか?

さて、本題はここから。

給特法ができた経緯、すごいと思ったのは自分だけですかね?

訴訟が起きて、解決しようとして、きちんと文部科学省側と教員側の意見入れて法案作ってるんですよ。

48年前の教育界に起こったこととして、普通にすごいなと思うわけです。

 

では、今はどうでしょうか。

周りの環境や教育を受ける側はいろいろ変化してきているのに、教員側の働く制度が変わっていないのはおかしいんじゃないかなと私は思います。

家庭を取り巻く環境は多様化して、教育はどんどん一筋縄ではいかなくなってきています。

教員が配慮しなければならないこと、それに合わせてやらなければいけないことが増えてきています。

給特法ができて48年、そろそろ法律を見直さないといけない時期がきているような気がします。

 

教員の善意が招いてしまった悪循環

給特法を制定した当時、わかってやっていたのか分からないですけど、これ厄介な法律なんですよね。

私の勤務した学校もそうでしたが、校長は確かに時間外の勤務を命じていないんですよ。

「部活動は先生方の協力があって成り立っています。」「早く帰れるときは早く帰ってね」

ことばではこんな風に言います。

 

でも、職員は部活動、事務仕事、教材研究を残業しています

校長が命じていない以上、これは「自発的に」やっているということになってしまうんですね。

 

確かに、教員として働いていて、

  • 自分が顧問をしている部活動を放っておく
  • 事務作業をしないで、事務員や校長に書類を出せない
  • 教材研究しないで、授業をする

これ教員として(人間として?)ダメですよね。

でも、残業しないとこういうことが起こる可能性があるわけです。

 

校長はわざわざ「部活動最後まで見てね」「書類の処理やってね」「教材研究してね」とは言いません。

校長は「教員なら、人間ならこれは当たり前にするだろう」と思っているのと、教員に時間外の勤務を命じるわけにはいきませんからね。

だから、学校は「教員の自発的な労働」によって成り立っていると考えられます。

教員が過労死しても、精神疾患になっても、「自主的にやってます」「自己責任です」というのはこういうことなんですね。

全てを放棄して帰ることが教員として、人間としてやらないと管理職も思っているし、教員になるような人でそんな人なかなかいないですから。

 

明日締め切りだけど、「時間だから帰ります」

明日調理自習だけど「時間なんで帰ります」

生徒指導中に「時間なんで帰ります」

って教員みんながやらないと変わらないのでは?

 

しかも、勤務中怠けているわけではないし、勤務中はほぼ授業なんで事務作業する時間がないんですよ。

勤務時間オーバーしないのはなかなか厳しい。

教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果についてによると、小学校教諭の平均勤務時間11時間15分、中学校教諭の平均勤務時間11時間32分です。

勤務時間を大幅に超えていますよね。

これでも国や管理職は「教員は勝手に自発的にやっています。」「私は命じていません」とかいうんですかね

 

人の命を何だと思っているのか、言葉遊びをして、自分たちの身を守っているようにしか思えません。

給特法は制定当時は画期的な法律だったかもしれませんが、今は奴隷並みの法律です。

 

法律を変えるか、自分で働き方を変えるか

教員の仕事は本体は未来を担う子どもたちを育てる素晴らしい仕事なはずなんですよ。

でも、その仕事がブラックだったら、普通に考えてやばいですよね。

 

私は自分のことだけを考えて教員を辞める選択をしましたが、

このブラックな労働の現状を変えるには、法律を変えるか、自分の働き方を変えるしかないと思います。

法律を変えるのは難しいですが、現役高校教師の斉藤ひでみさんが署名を集めて提出しました。

法律を変えたり、国を変えたりするには、時間はかかりますが、地道に声をあげるしかないですかね。

 

あとは自分の働き方を変えること。

はじめの風当たりは強いでしょうが、自分自身のあり方を変えるだけなので、自分は変わることができるし、自分が変わることで周りに伝染していく可能性もあるので、この方法が1番効果を感じやすいのかも。

私自身、在職中に働き方を変えることができなかった身ですので、体験を話せませんが、部活動の拒否をやっている人も全国的にはいらっしゃいますね。

部活動顧問拒否が1番法律的にやりやすいのでしょうが、雰囲気としてはやりづらい感じはありますよね。

もうやりづらいとか言ってる場合じゃないですが…

 

1番は「この人は早く帰る人」と認定されてしまうことかも。

ただ早く帰るだけではなくて、勤務時間内は一生懸命仕事をすること

これだけやっても終わらない業務はどうなってんだ?どう考えてもおかしいだろうっていうのが学校職員全員になったら強いなって思います。

あくまで理想論ですが。

 

私はその前に体調を崩して、辞めて、ある意味働き方改革、生き方改革できました。

うつになる前に生きやすい環境を整えましょう。

 

1番は法律が変わって、全国の学校の先生が働きやすい環境になることを願っています。

それが先生が働きやすければ、先生余裕が出ます。

先生に余裕ができれば、子どもたちに対する気持ちも変わります。

子どもたちに対する気持ちが変われば、子どもも生き生きします。

国の未来の資産は子どもたちですよ。

 

 

あわせて読みたい

*教員の仕事は簡単にいうとなんでも屋さんです。私はうつになりました。
ほぼ過労死ライン!教師の仕事はこんなに大変。

*教員自体が部活動をなくせなくしているのではないかっていう話。
部活動が学校からなくならない理由

*精神疾患で毎年5000人休んでいようが何も変えようとしないのはどんな神経なのか。
文部科学省は自分たちの怠慢を公開しているようなもん。教員の休職5000人越えニュース

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です